A Road Less Straight

最近、歩くことがますます好きになってきました。
特に心ひかれるのは、知らない道。
知っている道より、
ちょっと先が見えない道の方が、
なぜか気持ちが軽くなるのです。
初めての町、はじめての通り――
そんな道を歩いていると、心がほどけていくような感覚になります。
アップル創業者のスティーブ・ジョブズはこう語っています。
「将来を見て点をつなぐことはできない。できるのは、あとから振り返ってつなぐことだけだ。」
この言葉は、未知の道を歩くことの価値を静かに教えてくれます。
いまは不安な道でも、あとから振り返ったときに、そこに意味やつながりが見えてくる。
そんな感覚が、私の歩みにも重なってきました。
登山家・三浦雄一郎氏もまた、こんな言葉を残しています。
「楽な道に価値はない。苦しいからこそ、登る意味がある。」
若い頃の私は、できるだけ楽な道を選び、失敗や挫折を避けて生きてきました。
でも、振り返ると、そこには何の手応えも、達成感もなかったのです。
心理学では、こうした「困難を乗り越える体験」こそが、
自己効力感(self-efficacy)やレジリエンス(心のしなやかさ)を育むと言われています。
教育学でも、予測不能な経験や、計画通りにいかない状況に出会うことは、
深い学びと成長の起点となるとされています。
だから私はいま、少しでも高みを目指したいと思っています。
そして、もしそのために曲がりくねった道を歩かなければならないのなら、
迷わずその道を選びたいのです。
不安もあるけれど、
そんな道に出会えたことを「ラッキー」と思えるようになってきました。
なぜなら、目指した場所から振り返ったとき、
自分が歩んできたその道こそが、
人生そのものだったと気づけるはずだからです。
人生という名の曲がりくねった道。その途中で立ち止まり、探し続ける意味を歌った名曲がU2の「I Still Haven’t Found What I’m Looking For」。求めてもなお見つからないもの。それでも歩き続けるすべての人に響く一曲。
U2の「I Still Haven’t Found What I’m Looking For」は、1987年にリリースされたアルバム『The Joshua Tree』に収録された楽曲です。作詞はボノ(Bono)、作曲はU2のメンバー全員。プロデュースはブライアン・イーノとダニエル・ラノワが手がけた。
この曲は、アメリカ南部のゴスペル音楽の影響を受けたリズムとメロディが特徴で、信仰・愛・自己探求というテーマが静かに、しかし力強く歌われている。ボノ自身が語っているように、「答えを探し続ける未完成な存在としての人間」が根底にあるのだろう。U2の精神性と社会意識の高さを象徴する一曲であり、「探し続けること自体が生きること」というメッセージが、今なお多くの人の心に響いている。

守田 智司

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