日曜日、自習室の朝
今年一番の寒さが身を包む朝。
灰色の雲が空を覆い、朝の8時だというのに外はまだ暗い。
自習室の灯りをつけ、掃除機を手に取りながら静かに作業を始めた。
昨夜まで懸命に努力していた生徒たちが残した消しゴムのかす。
丁寧に吸い取るたびに、その小さな跡が語りかけてくるようだった。
「ここで、こんなに頑張っていたんだな」と、余韻がまだ部屋の空気に漂っているような気がする。
石油ファンヒーターの燃料タンクを取り出してみると、もうほとんど空になっていた。
新しい灯油を満タンにし、スイッチを押す。
ヒーターが静かに唸りを立て、じんわりと室温を上げていく。
今日も朝9時から夜9時まで、受験生たちがこの自習室をフルに活用するだろう。
室内を25℃くらいに保つように調整し、心地よい暖かさで彼らを迎える準備を整えた。
空気清浄機も2台、スイッチを入れた。
塾の教室から持ってきた1台と、この自習室専用の1台。
部屋の空気をきれいにしながら、少しでも集中しやすい環境を作る。
僕にできるのは、これくらいのことだ。
もうすぐ、受験生たちがやってくるだろう。
冷たい空気に頬を赤らめて、自分の目標を胸に抱きしめながら席につく彼らの姿が思い浮かぶ。
1週間後には共通テスト。これまで積み重ねてきた努力が花開く時が来た。
“頑張れ。君たちの頑張りは、ここに確かに刻まれている。”
冬の寒さの中で燃える心を忘れず、目の前の一歩を踏み出し続けてほしい。
僕はこの自習室から、君たちの挑戦を見守り、そして心からエールを送るよ。
守田 智司
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