令和7年度愛知県公立高校入試【平均点分析と学習アドバイス】

 

2025年3月に実施された令和7年度 愛知県公立高校入試。今年の平均点が発表され、受験の傾向が見えてきました。本記事では、過去5年間の平均点と比較しながら、各教科ごとの特徴や今後の学習のポイントをわかりやすく解説します。

 

◆ 令和7年度の総合平均は「65.7点」——やや易しめの年

令和7年度の合計平均点は65.7点と、ここ5年間の中では2番目に高い点数となりました。最も高かった令和5年度(66.5点)に次ぐ水準で、全体としては「やや易化した年」と見ることができます。

 

 

◆ 教科別に見る「5年間の変化」と「今年の特徴」

ここでは、各教科ごとに5年間の変化を振り返りながら、令和7年度の傾向を詳しく読み解いていきます。

 

◯ 国語:安定から急落、そして今年は過去最高へ

過去の平均点:R3 14.9/R4 13.8〜14.9/R5 14.8/R6 11.2

 

R7:15.6点(5年間で最高)

 

R6で大きく平均点が下がった国語ですが、今年は一転して過去最高点に。

 

設問構成や文章の難易度が抑えられ、受験生が取り組みやすかったことがうかがえます。

 

読解力や語彙力、設問処理の速さが結果に直結した教科といえるでしょう。

 

 

 

◯ 数学:毎年波があるが、今年は平均以上

 

過去の平均点:R3 11.6〜12.1/R4 11.3〜12.0/R5 15.2/R6 12.3

 

R7:13.2点(やや高め)

 

R5で非常に高かった数学ですが、その後は平均的な得点に戻っています。

 

R7はR6よりも約1点上がっており、易しい問題が多かった印象。

 

反面、計算や応用に苦手意識がある生徒は差がつきやすかった可能性があります。

 

◯ 英語:リスニング・長文が得点源に

 

過去の平均点:R3 11.8〜12.2/R4 11.8〜12.1/R5 12.7/R6 14.8

 

R7:13.8点(依然として高水準)

 

英語は昨年R6が非常に高く、R7では少し下がったものの、高得点が取りやすい教科だったことは変わりません。

 

リスニング・長文・会話文の出題が安定しており、日常的な英文への慣れが得点を左右します。

 

 

◯ 理科:年ごとに変動が大きい、不安定な科目

 

過去の平均点:R3 11.0〜11.6/R4 9.9〜11.1/R5 12.3/R6 11.3

 

R7:10.9点(やや難化)

 

理科は例年、最も平均点のブレが大きい教科です。

 

今年もR6よりやや下がっており、グラフや資料の読み取り、実験結果の考察といった応用力が問われた内容だったと考えられます。

 

 

 

◯ 社会:安定感あり、資料読解・記述に強いと得点しやすい

 

過去の平均点:R3 11.8〜12.0/R4 12.7〜13.7/R5 11.5/R6 12.9

 

R7:12.2点(平均的な難易度)

 

社会は、安定して高得点が狙える教科です。

 

今年も例年並みの平均点となっており、特に大きな変化は見られませんでした。

 

資料の読み取りや語句記述など、基本を丁寧に積み重ねることが得点につながる教科です。

 

 

◆ 国・数・英で得点を伸ばせたかが勝負の分かれ目

今年は、国語・数学・英語の3教科で比較的得点が伸びやすい出題となっており、この3教科で60点中40点以上を確保できた生徒が全体の得点を引き上げていると考えられます。一方で、理科の難化により苦戦した生徒も少なくなかったはず。入試は「総合力」が問われる場であることを改めて感じさせる結果となりました。


令和7年度の結果を受け、来年度以降に向けて保護者として意識したいのは、まず教科ごとの「波」に柔軟に対応できる学習環境を整えることです。たとえば理科のように、年によって難易度が大きく変動する教科に対しては、基礎力を固めた上で応用問題にも触れ、さらに過去問演習を通じて本番形式の問題に慣れておくことが効果的です。加えて、国語力の育成も非常に重要です。なぜなら、文章を読み解く力は国語に限らず英語・社会・理科、さらには数学の文章題においても正確な理解や判断を支える土台となるからです。

 

家庭でも日々の読書、音読、そして文章の要約といった習慣を意識的に取り入れることで、自然と学力全体を底上げすることにつながります。また、模試や過去問の活用も欠かせません。これらは単なる知識の確認ではなく、「時間配分」や「出題傾向への慣れ」といった実戦感覚を磨くための大切な訓練材料です。

 

入試はたった一日で結果が決まる勝負ではありますが、その一日に込められる力は、日々の地道な積み重ねの賜物です。年度ごとの出題の波に左右されないためにも、学びを習慣として根付かせること、そして本番に自信を持って臨めるような準備を進めていくことが、保護者の皆様にとっても大切なサポートのあり方になるはずです。来年以降の受験生とそのご家族にとって、今回の結果分析が少しでも参考になれば幸いです。

 

 

 

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守田 智司

愛知県蒲郡市にあるMANALABO代表。10代で愛知県から大阪、東京まで自転車で走破!大学中は、バックパック1つで、アメリカ1周。卒業後、アメリカ・アトランタにて「大工」を経験。帰国後15年間、大手進学塾の教室長・ブロック長として教壇に立ち、2005年独立。 大型自動二輪、小型船舶2級免許所得。釣り、ウォーキングが好き!作家は、重松清さん、音楽は、さだまさしさんが好き。「質より量より更新頻度」毎日ブログを更新しています。