毎日、やる。それだけで、未来は変わる。

毎年、受験生に必ず伝えていることがある。
定期テストがあるから勉強するのではない。
そうではなく、「毎日、勉強を続けること」の方がずっと大切だと。
テストの前だけ頑張っても、積み重ねてきたものには敵わない。
だからこそ、どんなときも勉強する習慣を崩さず、今まで以上にコツコツと続けてほしいと思っている。
この話をするとき、私はいつもイチロー選手のエピソードを紹介する。
「誰でもできることを、誰にもできないほどの量、毎日続けただけ」
小学生の頃から毎日父親とグラウンドで練習し、そのあとにはバッティングセンターへ。
さらに、習字塾やそろばん塾、囲碁まで習っていた。
時間に追われながらも、365日のうち360日は練習していたという。
卒業文集に書かれたその言葉には、少年の素直さと、尋常じゃない努力がにじんでいる。
もちろん、1日や2日だけなら、誰にだって頑張れる。
でも、それを1年、10年と続けるのは簡単ではない。
風邪をひく日もあれば、家族の用事、旅行、学校行事だってあるだろう。
それでも、彼は練習を欠かさなかった。
だからこそ、メジャーリーグで3000本安打という偉業を成し遂げられたのだと思う。
この“毎日続ける”という力は、スポーツ選手だけのものではない。
作家の村上春樹さんは、毎朝4時に起きて机に向かう。
スティーブ・ジョブズは、毎朝鏡に向かって「今日が人生最後の日でも、今からやることを本当にやりたいか?」と自分に問いかけていた。
アンネ・フランクは、戦時中でも毎日日記を書き続け、その記録は世界中の人々に読まれている。
どの人の背景にも、派手さではなく、地味で静かな継続がある。
心理学には「自己効力感」という言葉がある。
「自分はできる」と思える力だ。
毎日やることで、小さな成功が積み重なり、自信につながっていく。
また教育心理学では「スモールステップの原理」といって、大きな目標を小さな段階に分け、少しずつ達成していくことが効果的だとされている。
つまり、「毎日少しずつ」が、人の成長にとっていちばん自然で確実な道なのだ。
私は、どこの高校を目指すにせよ、
「日本一努力しなさい」とか「県で一番を目指しなさい」と言っているのではない。
ただ、やるべきことを、きちんと、毎日積み上げていくこと。
それだけで道は開けていくと信じている。
そして、「どこでやるか」「どんな方法でやるか」「何をやるか」にはこだわってほしい。
場所も、やり方も、内容も、すべてが大切だからだ。
私自身、毎日このブログを書いている。
だからこそ、「毎日続けることの大変さ」も、「毎日続けることで得られる力」も、よくわかっている。
大変なことを知っているからこそ、生徒たちにも伝えられることがある。
続けることで見えるものがあり、続けることでしかたどり着けない場所があるのだ。
夢を叶える魔法なんてない。
ただ、日々を積み重ねていくしかない。
地味で、退屈で、誰にも気づかれない努力。
それこそが、本当に大きな力になる。
マイリー・サイラスの「The Climb」は、困難や迷いの中でも夢に向かって登り続けることの大切さを優しく力強く歌い上げた一曲で、2009年に映画『ハンナ・モンタナ/ザ・ムービー』の主題歌として発表され、全米ビルボード4位、300万枚超のヒットを記録し、「頂上にたどり着くことよりも、登る過程こそが大切なんだ」というメッセージは、今もなお多くの人々の背中を押し続けています。
“It’s not about how fast I get there, it’s not about what’s waiting on the other side. It’s the climb.”
「どれだけ早くたどり着くかでもない。
向こう側に何が待っているかでもない。
大切なのは“登ること”そのものなんだ。」

守田 智司

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