1位の子が“全然やってない”と言う理由

以前、定期テストの後に、生徒たちの間でこんな会話が聞こえてきた。
「○○さん、1位なんてすごいね」
「全然勉強していないって言ってたのに…」
こういったやり取りは、本当によくある話だ。
実際にその子に聞いてみると、大抵は「全然やれてないです」と答える。
たとえば、今回 大阪公立大学に合格した生徒も、
静岡大学に合格した生徒も、
毎日塾に来て、コツコツと勉強を積み重ねていた。
でも、彼らに「頑張ったね」と声をかけると、やっぱりこう返ってくる。
「全然やれてないです」と。
この「全然やれてない」という言葉は、
本当に何もしていないという意味ではない。
「自分が納得できるレベルまでやりきれていない」
という、真面目さゆえの言葉なのだ。
彼らにとって、毎日勉強するのは特別なことではない。
食事をしたり、歯を磨いたり、夜に眠ったりするのと同じくらい、
勉強するのはごく自然な、当たり前の行動なのだ。
こうした感覚、「当たり前度」がとても高い。
この状態が作れると、勉強は苦しいものではなくなる。
なぜなら、無理をしてやるのではなく、
ごく自然に生活の一部として組み込まれるからだ。
一方で、まだその感覚が身についていない子も多い。
「勉強しなきゃ」と思いながらも、ついスマホを触ってしまったり、
テレビやゲームに夢中になって、気づけば夜が遅くなっている…。
そんな毎日を過ごしていないだろうか?
では、どうすれば「勉強が当たり前」になるのか。
大切なのは、“やる時間・やる場所・やる内容”を先に決めてしまうこと。
たとえば、
「夕飯のあと、7時からリビングで30分だけ英語のワークをやる」と決めておくと、
迷わず行動に移しやすくなる。
さらに、最初から長い時間やろうとせず、
「まずは10分だけやってみる」と小さく始めるのがコツだ。
やってみれば、気がつけば20分、30分と続いていた…ということもある。
その積み重ねが、「やるのが当たり前」の習慣をつくっていく。
「できた!」という小さな達成感を毎日積み重ねていくこと。
これが、習慣化の第一歩だ。
勉強ができるようになるのに、特別な才能や環境は必要ない。
頭の良し悪しではなく、日々の習慣が違うだけだ。
「毎日勉強するのが当たり前」
「1日3時間勉強するのが当たり前」
「苦手な教科も週に2回きちんとやるのが当たり前」
「テスト勉強は3週間前から始めるのが当たり前」
そうした「当たり前」の積み重ねが、結果をつくっていく。
まずは、できることからでいい。
時間を決めてみる、10分だけやってみる、少しずつでも前に進む。
その小さな一歩が、やがて自分だけのリズムと習慣をつくっていく。
いきなり完璧を目指す必要なんてない。
自分なりの「当たり前」を、少しずつ育てていけばいい。
守田 智司
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