アメリカの就職氷河期から見える日本の10年後 〜AI時代に求められる力とは〜

仲のいい塾長から届いた新聞記事
先日、仲良くしていただいている塾の先生(塾長)からLINEで新聞記事の切り抜きが送られてきました。
内容は「アメリカの大卒が就職氷河期のような状況に陥っている」というもの。
その理由として挙げられていたのが、新人が担ってきた仕事を生成AI(人工知能)が代替しているという点でした。
読んでいて、本当に驚きました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/685d00f968296e094663ed93c65718701e02a507
アメリカで今、起きていること
記事(時事通信)では、次のような状況が伝えられていました。
IT大手の採用が冷え込む
マイクロソフトやグーグルなどの一流企業で、新卒採用が大幅に減少。
生成AIが新人の仕事を代替
プログラミングコードの作成や単純作業は、AIの方が速く正確に行える。
その結果、新卒に割り当てられる仕事が減っている。
大卒の失業率が過去最大に
22〜27歳の大卒失業率は5.8%と、全体平均4.0%を大きく上回り、差は過去最大に。
特に「コンピューターサイエンス」「コンピューター工学」専攻の学生の失業率は6〜7%に達している。
「高収入の夢」が崩れる
名門大学でコンピューターサイエンスを専攻した女性は、
「この経歴なら初任給で年収1500万円もらえると約束されてきたのに、実際に面接に呼ばれたのはファストフード店の週10時間勤務だけだった」と嘆いている。
これまで「学歴」や「専攻」で保証されてきた未来が、AIの台頭によって崩れ去っているのです。
日本の10年後に起きること
よく「アメリカで起きたことは、10年後に日本でも起きる」と言われます。
今回の就職氷河期も、決して他人事ではありません。
予想される未来
新人の仕事はAIに奪われる
データ入力や定型的な資料作成、カスタマー対応などはAIに置き換えられる。
就職はさらに狭き門に
大企業は「AIにできない高度な仕事」に限定して採用を行うようになる。
求められる力の変化
- 企画力(新しい価値を生み出す力)
- コミュニケーション能力(人の気持ちを理解し動かす力)
- 問題解決力(未知の課題を突破する力)
教育制度も変化する
暗記や基礎偏重の教育から、AIを使いこなし、人と協働して新しい価値を生み出せる人材育成へシフトしていく。
留学から見えること
私自身、この「求められる力」の中でも特に大事なのは コミュニケーション能力 と 問題解決力 だと考えています。
それは、娘が現在マレーシアの大学に留学していることからも強く感じます。
海外の大学では、いや応なしにコミュニケーション能力が鍛えられます。
自分の気持ちを 「Yes」「No」とはっきり伝える力、異文化に飛び込みその習慣を受け入れる力。
これらは日本という島国にいるだけでは得にくいもので、留学では強制的に身につけざるを得ません。
また、問題解決力という点でも海外は進んでいます。
先生が一方的に講義するスタイルではなく、ディスカッションやブレーンストーミングを通して、仲間と共に答えを見つけていく。
そうした学びの場を通じて、自分で考え、協力し、解決へと導く力が自然に磨かれていきます。
留学という経験は、まさにこれからの時代に求められる力を育てる大きなチャンスになるのだと、私は感じています。
まとめ
アメリカの「大卒就職氷河期」は、AI時代を生きる私たちへの大きな警鐘です。
日本でも10年後に同じことが起こるかもしれない。
しかしそれは「危機」であると同時に「チャンス」でもあります。
大事なのは、AIと競争するのではなく、AIを使いこなしながら、人間にしかできない価値を発揮すること。
教育者として、そして親としても、子どもたちにどんな力を育てていくべきか。
この記事をきっかけに改めて考えさせられました。

守田 智司

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