再調整・再始動・再集中、必要なだけ何度でも。

最近、私は「リセットすることの大切さ」を強く実感しています。
たとえば、長い時間をかけて準備し、構築してきた仕事やプロジェクト。
「これは正しいはずだ」と信じて進めてきたのに、どうもうまくいかない。
そんなとき、私たちはつい「もう少し頑張ればうまくいくかもしれない」と、
自分を説得しながら現状を続けてしまうものです。
でも、あるとき気づいたのです。
「今こそ、リセットすべきなんじゃないか」と。
教育の現場では、「見直し(リフレクション)」が非常に重要です。
生徒も教師も、「一度やったことを振り返り、意味づけし直す」ことで成長します。
失敗を避けるのではなく、失敗の中にこそ学びがあると考えるからです。
たとえば、受験勉強で間違った参考書を選んだと気づいたとき、
「ここまで使ったから」と惰性で続けるよりも、
潔くリセットして、自分に合った学習法に切り替えた方が結果的には成果につながります。
心理学では「サンクコスト効果(埋没費用効果)」という概念があります。
時間や労力を費やした対象に対して、「ここまでやったんだからやめたくない」と思ってしまう心理の働きです。
しかし、それはしばしば非合理的な判断を生みます。
やり直す勇気を持つことで、むしろ前に進む道が開けるのです。
私はいま、「高校進学説明会」の準備を進めています。
昨年使用した資料があるため、それをもとにデータを更新しながら再構築していました。
一見すると効率的で、ある程度の完成度も出ていました。
しかし、あるときふと気づきました。
「これ、去年と何も変わっていないな」と。
せっかく積み上げてきたものを壊すことに迷いもありましたが、
やはりどこかに「マンネリ感」が残っていたのです。
そこで思い切って、ゼロから構成を見直し、
新しい切り口でまったく違う形で「伝える」ことに挑戦しました。
資料の見せ方や、データの分析視点も変わり、
結果的に「去年よりも良いものができた」と感じています。
この経験から私は、
リセットすることは“負け”ではなく、“次への備え”なのだと学びました。
同じことを続けるよりも、「見直す」ことで、自分自身も進化できる。
今の自分に必要なのは、ただ「続ける」ことではなく、
立ち止まり、問い直し、“見直す”ことなのかもしれません。
リセット、再集中、再始動。必要なだけ何度でも。
ただ、あきらめないで。

守田 智司

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