Pablo Picasso

 

 

最近、ホリエモンのYouTubeをよく観ている。

 

テーマはピカソ。

 

堀江さんはこう語っていた。

 

「ピカソが世界一の芸術家とされるのは、圧倒的な作品数。

 

そしてその数は、つまり“思考の回数”そのものなんだ」

 

ピカソは、14万点以上の作品を残したと言われている。

 

1日1作品以上のペース。

 

にわかには信じがたい数だ。

 

でも、ホリエモンの話が本質だったのは、

 

「数を描いたから偉大だ」ではなく、

 

「それだけ考え、試したということが偉大だ」という視点だった。

 

描くたびに、彼は思考していた。

 

「なぜ描くのか」

 

「どう描くのか」

 

「何を残すのか」

 

と問い続けていたのだと思う。

 

私は1964年生まれで、今年61歳。

 

25歳で学習塾業界に入り、40歳で独立。

 

今も蒲郡で、小さな塾を営んでいる。

 

地域の子どもたちに寄り添ってきた時間は、

 

振り返れば、自分の人生のほとんどだった。

 

だけど最近、少子化や教育環境の変化を感じながら、

 

「このままの延長線でいいのか」と立ち止まっていた。

 

その答えを探したくて、ピカソについて調べてみた。

 

彼の生涯、画風の変遷、他の画家との違い……。

 

ピカソは常に変わり続けていた。

 

青の時代、バラ色の時代、キュビズム、古典回帰、晩年の抽象画……

 

画風は常に変化し続け、時代とともに彼自身も進化していた。

 

それは、「完成」を目指す人生ではなく、

 

「問い続けること」を止めなかった人生だった。

 

「思考と試行の積み重ねが、自己表現の深みを産むのだ」

 

私はこれまでに、数えきれない授業をしてきた。

 

それらは、ただ教えるだけの時間ではなかった。

 

そこには私なりの思考と表現があり、

 

言葉にならない“問い”と“伝えたいこと”が確かに存在していた。

 

だからこそ、私はこれからも表現していきたいと思う。

 

今、私は教育の領域にとどまらず、

 

まったく新しい世界にも身を投じている。

 

そこでは、まさにゼロからのスタート。

 

知らないことだらけのなかで、自分の中の好奇心や探究心が久しぶりに強く反応している。

 

わからないことを調べ、本を読み、人に会い、学びを深める日々が続いている。

 

そこには戸惑いや緊張もある。

 

だがそれ以上に、手探りの中で何かをつかむ瞬間に、確かな手応えと達成感がある。

 

この過程自体が、私にとってはすでに「表現」であり、「自分を描くこと」の延長線上にある。

 

何者でもなかった場所に、自分の輪郭を一筆ずつ描き加えていくような、そんな感覚がある。

 

これから私は、

 

これまでと違う線を、これまでと違う色で描いていく。

 

60代は、振り返るための節目ではない。

 

まだ見たことのない自分に出会うための通過点だ。

 

ピカソは言った。

 

“It took me four years to paint like Raphael, but a lifetime to paint like a child.”

 

私もようやく、

 

「自由に生きるとはどういうことか」を描き始めたばかりだ。

 

 

 

Man in the Mirror · Michael Jackson

 

1988年にリリースされたマイケル・ジャクソンの“Man in the Mirror”は、私にとって特別な響きを持つ一曲だ。ホリエモンの言葉をきっかけに、ピカソの生き方や自分自身のこれからを考えていたとき、この曲がふと心に浮かんできた。この曲は、世界を変えるにはまず「鏡の中の自分」を変えることから始めようという、非常に内省的で静かな強さを持つメッセージソング。作詞はサイーダ・ギャレットとグレン・バラード。マイケル自身も深く共鳴し、社会の中で無力感を抱える人々に、「自分から始める勇気」を届けたかったのだと思う。

 

♪ I’m starting with the man in the mirror
♪ I’m asking him to change his ways

 

このフレーズが何度も繰り返されるたびに、「誰かのせいにせず、まずは自分自身の生き方を問い直すこと」がいかに大切かを思い出させてくれる。私のブログで書いたように、60歳は“集大成”ではない。むしろ“深化と変化”の入口だ。この曲のメッセージは、まさにそこに重なる。これまでの人生を否定せず、でもそこに新しい一筆を加えていく。ピカソが画風を変え続けたように、自分もまた変化し続けていいのだと、この曲がそっと教えてくれる。今の自分からもう一度、始めていい。そう思わせてくれる一曲だ。

 

“If you wanna make the world a better place
Take a look at yourself and then make a change”

 

 

 

 

 

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守田 智司

愛知県蒲郡市にあるMANALABO代表。10代で愛知県から大阪、東京まで自転車で走破!大学中は、バックパック1つで、アメリカ1周。卒業後、アメリカ・アトランタにて「大工」を経験。帰国後15年間、大手進学塾の教室長・ブロック長として教壇に立ち、2005年独立。 大型自動二輪、小型船舶2級免許所得。釣り、ウォーキングが好き!作家は、重松清さん、音楽は、さだまさしさんが好き。「質より量より更新頻度」毎日ブログを更新しています。